
結婚や子育てに合わせて、家の購入を検討する人は依然として多いです。そして、注文住宅のデザインを重視する人や性能を重視する人など、考え方はさまざまです。今回はその中でも、家の性能の1つであるヒート20が注目される理由を解説します。ZEHとの違いや採用するメリットについても詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
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ヒート20の概要
まずは、ヒート20の概要について解説します。そもそもヒート20とは、一般社団法人として20年先を見越した日本の高断熱住宅研究会を指す、住宅の断熱性能向上を目標にする団体です。
この団体は5年前に設立されており、数多くの建築関連企業と協力して、技術の向上と環境に優しい住宅を作る働きをしています。以下で、ヒート20の目的やZEHの違いを詳しく紹介します。
ヒート20の目的
ヒート20が掲げる目標は、理想的な住まいのビジョンを表して、具現化する技術を提案・推進していくことです。具体的には、地球温暖化などに対処するために住宅の断熱性能を高くしていき、省エネを目指していくというものです。
ヒート20では、とくに住宅の耐久性や断熱性、省エネ性能の向上に力を入れて技術を発展させていき、業界全体に広められるような活動を実施しています。
ヒート20とZEHの違い
ZEHは、国が決めた省エネ基準です。高い断熱性能や省エネな設備を使用して、家で使うエネルギーよりも生み出すエネルギーの方が多くなるよう目指した住宅を指します。
ヒート20は、断熱性能のみを追求していくという形になっているのに対して、ZEHは断熱性能だけでなく、太陽光パネルを利用したエネルギー設備や省エネを目指した冷暖房設備を使用するなどのさまざまな基準が存在しているのです。
ヒート20の断熱基準を紹介
ヒート20の断熱基準は高いことで知られており、上記で紹介したZEHよりも高い基準で設定されています。具体的には、ヒート20は3つのランクで分けられています。
そのランクの内訳はG1・G2・G3です。数字が大きいほど、断熱性能が高くなっていくというのが大きな特徴です。最高ランクのG3は、ZEH基準の2倍以上の性能が必要になるほど厳しい設定となります。
また、基準の中には地域区分という言葉が出てきます。こちらは1〜8まで存在しており、数字によって寒い地域や暖かい地域を基準としているのが特徴です。それぞれの断熱基準の詳細を知りたい方は、ぜひ一度調べてみてください。
UA値とは
断熱性能を調べていると、UA値という言葉をよく目にするかと思います。UA値は、家全体の断熱性能を示すために必要な指標です。
UA値が低ければ低いほど断熱性能が高いということになるので、ぜひ覚えておきましょう。
ヒート20の住宅のメリット
最後に、ヒート20の住宅を採用することのメリットについて解説します。上記でも解説したとおり、ヒート20は断熱性能に特化している住宅です。
そのため、採用すれば断熱性能に優れた家に住めるようになります。下記では、そんな住宅に住むことで得られるメリットについていくつか解説します。
光熱費が抑えられる
断熱性能が高い家は、温度が一定に保たれるようになります。温度が一定になれば、必要以上に冷暖房を使用しなくて済むようになるため、光熱費が抑えられることでしょう。
具体的な金額としては、ヒート20の家は断熱等級4の家と比較して、年間10万円以上節約できるというデータがあります。
1年中快適に過ごせる
ヒート20の住宅は、寒い季節も暑い季節も1年中快適に過ごせます。さらに、寒暖差による体調不良も予防可能です。これは、免疫機能の弱い子どものいる家庭にとってありがたいポイントといえます。
また、温度が一定であるため、温度差で発生するヒートショックが発生しにくいです。年齢を重ねてくると、このような健康被害を防げる家で暮らせることが非常にありがたく感じることでしょう。
家が長持ちする
温度が一定になることで、気温差がなくなります。そのため、結露が発生しにくくなります。結露が発生しなければカビが発生しにくくなり、木材の腐食を防具ことが可能です。結果として、家が長持ちするようになります。家が長持ちすることで、後々の修繕費やリフォーム費用の削減にもつながるでしょう。
まとめ
ヒート20は、これからの住まい選びで注目すべきキーワードの一つです。地球温暖化対策や省エネを目的として、高い断熱性能を追求するこの取り組みは、快適で環境に優しい住まいを実現するための重要な指標となっています。ZEHとの違いは、ヒート20が「断熱性能」に特化しているのに対し、ZEHは太陽光発電や省エネ設備など、総合的なエネルギー管理を重視している点です。ヒート20はG1・G2・G3というランクに分かれており、最高レベルのG3では、ZEHを超える高性能が求められます。この高断熱住宅に住むことで、冷暖房費の削減、1年を通して快適な室温の維持、結露やカビの発生を抑えた住宅の長寿命化といった多くのメリットが期待できます。家族の健康や将来のコストパフォーマンスを考える上でも、ヒート20の住宅は非常に魅力的な選択肢です。